放課後等デイサービス等の運営において、個別支援計画の「別表(計画支援時間)」は、報酬算定の根拠となる極めて重要な書類です。 特に夏休みなどの長期休暇では、「通常時と滞在時間が変わるが、どう記載すべきか」「わざわざ別表を更新する必要があるのか」という相談が多く寄せられます。
こども家庭庁の制度指針に基づき、監査や実地指導で指摘を受けないための実務ポイントを解説します。

計画支援時間は「制度区分」ではなく「実態」に合わせる
「同じ曜日に二つの時間を記載できないの?」という悩みがありますが、一つの曜日の枠に「通常時:15:00〜17:00 / 夏休み:10:00〜16:00」といった二段書きは推奨されません。計画支援時間は、あくまで個々の利用者の「実際の利用実態」に即して設定されていることが重要です。
- 長期休暇用の別表を設定: 夏休みなどの開始日に合わせ、利用時間帯や滞在時間が明確に変わる場合は、その期間の計画支援時間を別途設定(再作成)します。
- 学期開始時の再設定: 通常の登校が始まるタイミングで、再び通常期の計画に戻す運用が適切です。
計画上の時間区分と実際の提供実績が一致していることが大前提です。計画と記録の不一致は、期間の長短にかかわらず指摘リスクを高めます。
変更理由は「利用者の生活環境の変化」として説明する
「延長支援の理由として長期休みと書けばいいのでは?」という考え方は誤りです。「延長支援加算」は運営規程上の営業時間を超えた場合に算定するものであり、長期休暇に伴う時間の拡大は、基本報酬を決める「計画支援時間」そのものの見直しとして扱う必要があります。
また、理由の書き方にも注意が必要です。
- 不適切な例: 「夏期休暇のため、事業所の支援時間を延長する」
- これでは事業所側の都合に見えてしまいます。
- 適切な例: 「学校の長期休業に伴い生活リズムや利用時間帯が変わるため、実態に合わせて計画支援時間を再設定する」
あくまで「利用者の生活実態の変化」に基づいた説明を心がけてください。
春休み・冬休みなどの短期休業の扱い
春休みなどの短期間の休業については、実態が「学校休業日・日祝日区分」と同等であれば、その区分にまとめて運用しても実務上は問題になりにくいのが実情です。
ただし、これも「計画支援時間と実際の提供実績が一致していること」が絶対条件です。計画と実績の整合性は、期間にかかわらず常に保たれていなければなりません。
まとめ:実地指導に強い運用の3原則
個別支援計画別表の運用で徹底すべきは、以下の3点です。
- 「実態」を最優先にする: 形式的な制度区分に当てはめるのではなく、実際の滞在時間に計画を合わせる。
- 理由は「利用者側の変化」とする: 学校の有無による生活リズムの変化を根拠にする。
- 計画と実績の整合性を保つ: 計画外の突発的な延長を除き、常に「計画=実績」となるよう管理し、乖離が生じる場合は速やかに別表を再作成・再交付する。
「計画支援時間」の管理は、適切な報酬受給を守るための防衛策です。アルバトロスでは、こうした複雑な別表管理をスムーズに行える仕組みを整えていますが、まずは制度の正しい理解が健全な運営の第一歩となります。
