子ども一人ひとりに合った支援を実現するために良い計画を作成するのが必要です。ですが計画書の作成に多くの事業所様が悩み時間を費やしているのが現状ではないでしょうか。
個別支援計画書は「どこまで書くか」を正しく理解することが大切です。本FAQでは、五領域の捉え方、家族・移行・地域支援の扱い、専門的支援実施計画との関係を、必須/任意に分けて分かりやすく解説します。今日から迷わず書ける基準を、ここで確認してください。
また、これら各項目をクリアしていけば実のある計画書作成に繋がり支援が充実していくことでしょう。

1つの目標・支援内容で、複数の五領域をカバーできますか?
可能です。五領域は一対一対応で別々に目標を立てる義務ではありません。計画全体として五領域の関連性が分かるように整理してください。
本人支援では五領域をすべてカバーすべき?
はい。本人支援は五領域の視点を網羅して記載します(各項目に機械的に5つ全てを付す趣旨ではありません)。
家族支援・移行支援は必須? 地域支援は?
家族支援・移行支援は計画の記載項目です(必須)。地域支援・地域連携は必要に応じて(任意)で、空欄でも差し支えありません。
インクルージョン(地域参加・包摂)の記載は必須?
必須の独立欄ではありません。理念として推進が求められますが、実務上は移行支援や地域支援の文脈に織り込む整理で十分です。
アセスメントで押さえるべきポイントは?
五領域の視点で現状と課題を把握し、本人・保護者の意向や関係機関からの情報を反映します。次工程(目標・支援内容)が書ける粒度で記録します。
個別支援計画に必ず入れるべき記載は?
本人・家族の意向/総合方針/長期・短期目標/支援目標・具体的支援内容(五領域との関連)/達成時期/担当者や連携先/留意事項などです。参考様式が公開されています。
保護者の同意は必要?
必要です。計画の説明後に同意・署名を得て、同意日等を記録します。
子ども本人の意見はどう扱う?
年齢・発達に応じて本人の意見を聴取し、可能なら会議参加や意思表明の機会を確保します。
計画は誰に共有・交付する?
障害児相談支援事業所へ交付します。関係機関とも必要に応じて共有・連携を行います。
モニタリング(見直し)の頻度は?
概ね6か月に1回以上が目安です。状態変化があれば6か月を待たずに見直します。
「地域支援」には何を書く?
学校・保育所等・医療・児童発達支援センター等との情報共有・役割分担・連携の具体を記載します(任意)。
移行支援は、具体の移行先が未定でも書く?
はい。進級・進学・地域生活への円滑な移行に向けた準備(情報共有、体験・見学、仲間づくり等)を見据えて記載します。
1つの支援内容に五領域の「タグ付け」はどこまで必要?
関連する領域が分かるように示せば十分です。計画全体として五領域をカバーできていれば、各項目に5つ全てを付す必要はありません。
計画づくりの会議はどう運営する?
関係職員が関与し、事前に情報を集約。会議では本人・保護者の意見を反映し、議事録に日時・出席者・意見・合意事項を残します。
個別支援計画と専門的支援実施計画の関係は?(重複してよい?)
重複は問題ありません。個別支援計画を踏まえた上で、専門的支援実施計画に専門職アセスメントや専門的な方法など「追加情報」を明記します。
専門的支援実施計画には何を書く?
専門職のアセスメント結果/五領域のうち特に要支援の領域/専門支援の達成目標/具体的な実施内容・方法/個別支援計画との関連、などを明示します。
専門的支援実施計画は別書類? 同意は?
別書類です。作成にあたり保護者の同意が必要です。
専門的支援は個別のみ?
基本は個別ですが、小集団(概ね5名まで)等も可とされています(要件に従うこと)。
インクルージョンはどこに書く?
移行支援や地域支援の中で、地域生活・社会参加の視点として方針や取り組みを記載するのが実務的です(必須の独立欄ではありません)。
学校や関係機関との連携はどの程度必要?
就学・進級・進学時を含め、学校や医療・発達支援センター等と密に情報共有し、連続性ある支援を図ります。
家族支援は本人支援の五領域と必ず連動させるべき?
必須ではありません。家族支援は家庭の基盤強化が目的で、必要に応じて本人支援と接続します。
記載のコツは?(読み手に伝わる書きぶり)
「いつ・どこで・誰が・何を・どのように・どのくらい(成果指標)」が一読で分かる文章に。モニタリングで評価・修正できる粒度で書きます。
原案・本案・議事録は保存が必要?
はい。検討過程が追えるよう、原案・議事録・最終計画・モニタリング記録を保存してください。
地域支援は空欄でもよい?
任意項目のため空欄でも差し支えありません。必要時に具体的な連携計画を記載します。
参考リンク(公的ソース)
- 放課後等デイサービスガイドライン(概要・作成フロー・記載項目の要点)
- 児童発達支援ガイドライン(理念・連携・インクルージョン等の考え方)
- 障害児支援 Q&A(令和6年度改定・専門的支援の取扱い:別作成・同意、小集団可 など)
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/32675809
その他参考リンク(公的以外)
- スナビBiz|個別支援計画の流れ・基本
https://snabi-biz.jp/articles/96
個別支援計画の目的・作成プロセスの要点を実務視点で整理。〖事業所向け〗LITALICO仕事ナビの運営サポートツール - Conobell|発達支援の5領域の整理(ねらいと支援内容)
https://conobell.com/column/column14/
5領域の定義と実務でのねらい・活動例をまとめた解説。conobell(コノベル) - Conobell|5領域を踏まえた個別支援計画の書き方(記入例あり)
https://conobell.com/column/column16/
5領域の紐づけ方と記述のコツを、記入例ベースで解説。conobell(コノベル) - X-ship|児発管の視点から:個別支援計画の書き方と注意点(2025)
https://x-ship.jp/jihatsukan/kobetsushienkeikaku/
直近改定ポイントを踏まえた実務的な作成手順と留意点。X-Ship - SAMOT|5領域ガイドの実務ポイント
https://samot.jp/column/003-5domains-guide/
5領域の押さえどころと現場実装のヒント。samot.jp - Tokita福祉|個別支援計画の作成フローと“つまずきやすい点”
原案/会議録/同意/モニタリングの抜け・誤りなど実務の注意点。tokita-fukushi.com - Snabi Biz以外の研修系:Live-Learning|個別支援計画の基本と実務ポイント特集
https://live-learning.jp/post-kougi/20210002/
オンライン研修のまとめ。アセスメント~モニタリングの学習素材。live-learning.jp - Ryoiku Biz|療育現場向け:個別支援計画の基礎(見直しサイクル含む)
https://ryoikubiz.com/contents/1/113
作成目的/6か月見直し等の基本と、現場運用の視点。ryoikubiz.com - 一般社団法人 全国放課後連|書籍・実践資料の案内(民間団体)
https://houkagoren.sakura.ne.jp/shuppan.html
放課後等デイの理念・個別支援計画・連携等を扱う実務書籍の情報源。