障害児支援利用計画と個別支援計画の違い|相談支援事業所との役割分担

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障害児支援利用計画個別支援計画は、どちらも本人や家族の意向を踏まえて作成する計画ですが、作成する人と計画が扱う範囲が異なります。

障害児支援利用計画は、相談支援事業所が生活全体や複数のサービスを見渡して支援の方向性を整理する計画です。一方、個別支援計画は、児童発達支援や放課後等デイサービスの事業所が、自事業所で行う具体的な支援を利用者ごとに定める計画です。この記事では、両者の違いと相談支援事業所との役割分担を整理します。

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障害児支援利用計画と個別支援計画は役割が異なる

二つの計画の違いを簡潔に整理すると、障害児支援利用計画は支援全体を調整する計画、個別支援計画は各事業所の支援を具体化する計画です。

  • 障害児支援利用計画:本人・家族の生活全体を踏まえ、利用するサービスや関係機関の役割を整理する
  • 個別支援計画:児童発達支援や放課後等デイサービスの事業所が、自事業所で行う目標や支援内容を具体化する

一方がもう一方を機械的に上書きする関係ではありません。生活全体の支援方針と、各事業所で行う具体的な支援の整合を取る関係と考えると分かりやすくなります。

障害児支援利用計画とは

障害児支援利用計画は、本人や家族が必要とする支援を整理し、障害児通所支援などのサービスをどのように利用するかを示す計画です。相談支援事業所が関わる場合は、相談支援専門員が本人・家族への聞き取りなどを行い、生活全体を見渡して作成します。

児童発達支援や放課後等デイサービスだけでなく、家庭、学校や園、医療機関、地域での生活なども踏まえ、複数の支援や関係機関をどのようにつなぐかを整理することが主な役割です。

  • 本人・家族が希望する生活を整理する
  • 生活全体の支援方針を明確にする
  • 利用するサービスや支援機関を整理する
  • 各事業所や関係機関の役割を調整する
  • サービス利用後の状況を確認する

特定の事業所で行う療育内容を細かく決めるというよりも、本人・家族を中心に、必要な支援を全体として組み立てるための計画です。

個別支援計画とは

個別支援計画は、児童発達支援や放課後等デイサービスの事業所が、利用者ごとに支援の目標と具体的な支援内容を定める計画です。

制度上、児童発達支援では児童発達支援計画、放課後等デイサービスでは放課後等デイサービス計画という名称が使われます。この記事では、両方をまとめて個別支援計画と表記します。

事業所では、児童発達支援管理責任者(児発管)が中心となり、本人・家族の意向やアセスメントの結果、障害児支援利用計画の内容などを踏まえて原案を作成します。

  • 本人・家族の意向を確認する
  • 事業所で取り組む長期目標・短期目標を設定する
  • 目標に対応する具体的な支援内容を定める
  • 支援方法や留意点を職員間で共有する
  • モニタリングを行い、必要に応じて見直す

個別支援計画は、事業所の活動予定を並べるだけの書類ではありません。利用者のニーズと、自事業所で提供する具体的な支援を結びつける計画として作成します。

二つの計画の違いを比較

障害児支援利用計画と個別支援計画の主な違いは、次のとおりです。

比較する項目障害児支援利用計画個別支援計画
主な作成主体相談支援事業所が関わる場合は相談支援専門員児童発達支援・放課後等デイサービス事業所の児発管
計画が見る範囲本人・家族の生活全体と複数のサービス自事業所で提供する支援
主な目的必要なサービスや関係機関を整理し、支援全体を調整する事業所で行う目標と具体的な支援内容を定める
主な内容生活全体の目標、利用するサービス、関係機関の役割など長期目標・短期目標、具体的な支援内容、支援上の留意点など
確認する視点サービス全体が本人・家族のニーズに合っているか自事業所の支援が計画どおり実施され、目標につながっているか
両者の関係生活全体の支援方針を示す支援方針を自事業所の具体的な支援へ落とし込む

どちらも本人・家族の意向をもとに作成しますが、計画が扱う範囲と、計画を実行する主体が異なる点を押さえておきましょう。

どちらか一方の計画で代用できるわけではない

障害児支援利用計画と個別支援計画は、それぞれ異なる目的を持つため、一方を作成すればもう一方が不要になるわけではありません。

障害児支援利用計画が作成されている場合でも、児童発達支援や放課後等デイサービスの事業所は、自事業所で行う支援についてアセスメントを行い、個別支援計画を作成します。

また、障害児支援利用計画の文章をそのまま個別支援計画へ写すだけでは、自事業所で何を行うのかが明確になりません。全体的な支援方針を踏まえながら、目標と支援方法を事業所の支援へ具体化することが必要です。

相談支援事業所と通所支援事業所の役割分担

相談支援事業所と児童発達支援・放課後等デイサービス事業所は、同じ情報を重複して管理するのではなく、それぞれの立場から本人・家族を支援します。

相談支援事業所の役割

相談支援事業所は、本人・家族の意向や生活状況を把握し、必要なサービスや関係機関を横断して支援全体を調整する役割を担います。

  • 本人・家族の生活全体のニーズを把握する
  • 必要なサービスや支援機関を整理する
  • 関係する事業所や機関の役割を調整する
  • サービスの利用状況や生活上の変化を確認する

児童発達支援・放課後等デイサービス事業所の役割

通所支援事業所は、障害児支援利用計画や本人・家族の意向を踏まえ、自事業所で実施する支援の目標と方法を具体化する役割を担います。

  • 事業所としてアセスメントを行う
  • 個別支援計画の原案を作成する
  • 職員間で支援内容を検討・共有する
  • 本人・家族へ説明し、同意を得て交付する
  • 支援の経過を記録し、モニタリングへつなげる

相談支援専門員が支援全体を調整し、児発管が事業所内の具体的な支援を組み立てることで、生活全体の目標と日々の支援をつなげやすくなります。

二つの計画をつなげる実務上の流れ

相談支援事業所との連携では、計画書を受け取るだけで終わらせず、障害児支援利用計画の方針を個別支援計画へ反映し、支援後の情報を相談支援へ戻すことが重要です。

  1. 本人・家族の同意や個人情報の取扱いに配慮し、障害児支援利用計画を確認する
  2. 事業所で本人・家族の意向や現在の状況をアセスメントする
  3. 生活全体の方針と自事業所の役割を整理し、個別支援計画へ具体化する
  4. 計画内容にずれや確認事項がある場合は、本人・家族や相談支援事業所と共有する
  5. 支援を行い、本人の変化や新たなニーズを記録する
  6. モニタリングで整理した内容を、必要に応じて相談支援事業所へ共有する

本人の生活状況や学校での様子、家族の希望、サービスの利用状況が変わった場合は、各事業所が個別に対応するだけでなく、関係者間で情報を共有する必要があります。

相談支援事業所との連携で起こりやすいつまずき

実務では、障害児支援利用計画と個別支援計画が別々に作成され、内容のつながりが見えにくくなることがあります。

  • 障害児支援利用計画を確認せずに個別支援計画を作成している
  • 障害児支援利用計画の内容をそのまま転記している
  • 相談支援事業所と通所支援事業所の役割が曖昧になっている
  • 学校や家庭での変化が計画の見直しへ反映されていない
  • 情報共有した内容や日時が記録として残っていない

連携した事実だけでなく、共有した情報を個別支援計画や実際の支援へどう反映したのかまで確認できる状態にしておくことが大切です。

事業所で確認したいポイント

二つの計画をつなげるために、通所支援事業所では次の点を確認しましょう。

  • 障害児支援利用計画の内容を確認できているか
  • 本人・家族の意向が二つの計画で大きくずれていないか
  • 自事業所が担う役割を個別支援計画へ具体化しているか
  • 相談支援事業所と共有すべき変化を整理しているか
  • 情報共有の内容や経過を記録しているか

障害児支援利用計画が手元にない場合や、現在の状況と計画内容に違いがある場合は、本人・家族へ確認したうえで、必要に応じて相談支援事業所と連携します。個人情報の共有範囲や方法は、本人・家族の同意と事業所の規程に沿って確認してください。

まとめ

障害児支援利用計画は生活全体と複数のサービスを調整する計画、個別支援計画は各通所支援事業所が自事業所の支援を具体化する計画です。

二つの計画は、どちらか一方で代用するものではありません。相談支援事業所と児童発達支援・放課後等デイサービス事業所が役割を分担し、本人・家族の意向、生活全体の目標、日々の具体的な支援をつなげることが重要です。

参考資料