児童発達支援・放課後等デイサービスの個別支援計画は、一度作成すれば同じ内容を使い続けられるものではありません。定期的なモニタリングを行い、本人の状況や支援の実施結果に応じて見直す必要があります。
個別支援計画は少なくとも6か月に1回以上見直し、本人の状態や生活環境、支援ニーズに変化があった場合は、定期見直しを待たずに更新を検討します。
見直しでは、現在の計画を評価して継続・変更の必要性を判断します。更新する場合は、モニタリング、アセスメント、原案作成、個別支援会議、説明・同意・交付という手順を改めて確認することが重要です。この記事では、個別支援計画を見直すタイミングと、更新後の支援までつなげる手順を整理します。

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個別支援計画の「見直し」と「更新」の違い
見直しは現在の計画を評価して継続・変更の必要性を判断する工程であり、更新は判断結果を次の個別支援計画へ反映する工程です。
現場では「見直し」と「更新」が同じ意味で使われることもありますが、実務の流れを整理すると、それぞれの役割が分かりやすくなります。
| 工程 | 主な内容 | 確認すること |
|---|---|---|
| モニタリング | 一定期間の支援経過を振り返る | 支援の実施状況、本人の変化、目標の達成状況、支援の有効性 |
| 見直し | 現在の目標や支援内容を評価する | 継続・変更・終了する内容とその理由 |
| 更新 | 見直し結果を次の計画へ反映する | 新しい目標、具体的な支援内容、計画期間、役割分担 |
モニタリングを実施しただけでは、更新手続きがすべて完了したとはいえません。見直し結果を原案へ反映し、個別支援会議(担当者会議)で検討したうえで、本人・保護者への説明・同意・交付まで進めます。
「モニタリング済み」「計画書を作成済み」といった一部の工程だけで完了とせず、更新後の計画に基づく支援が始まるまでを一連の流れとして管理します。
定期的な見直しは少なくとも6か月に1回以上行う
児童発達支援管理責任者(児発管)は、個別支援計画の実施状況を継続的に把握し、少なくとも6か月に1回以上、計画を見直します。
定期見直しでは、現在の計画に基づく支援が適切に実施されているか、目標に対して本人にどのような変化が見られたかを確認します。
目標や支援内容を必ず変更しなければならないわけではありません。モニタリングの結果、現在の内容が本人の状況に合っていると判断すれば、継続することもあります。
変更しない場合も、確認を行ったうえで継続すると判断した理由を記録し、次期計画として必要な作成・説明・同意・交付の手続きを進めることが重要です。
6か月を待たずに見直す必要があるケース
本人の状態や生活環境、必要な支援に大きな変化があった場合は、次の定期見直し時期を待たずに個別支援計画を見直します。
6か月は、現在の計画を変更せずに使い続けてよい期間ではありません。計画内容と実際に必要な支援にずれが生じたときは、随時見直しを検討します。
本人の状態や支援ニーズが変化したとき
本人の心身の状態、行動、発達状況などが変化し、現在の目標や支援方法が合わなくなったときは見直しが必要です。
これまで取り組めていた活動が難しくなった場合だけでなく、目標を予定より早く達成し、次の段階へ進める場合も見直しの対象になります。
生活環境や家族の意向が変化したとき
進級・進学、転校、家庭状況の変化などにより、本人・家族が必要とする支援が変わった場合も見直します。
学校生活や家庭での困りごとが変われば、事業所で重点的に取り組む目標も変わる可能性があります。本人・保護者の現在の意向を確認し、計画作成時から変化した点を整理します。
利用状況や提供する支援内容が変わったとき
利用日数、利用時間、支援内容、職員の関わり方などに大きな変更がある場合は、現在の計画との整合を確認します。
利用曜日の変更だけで直ちに計画全体を作り直すとは限りませんが、目標達成に向けた支援方法や役割分担へ影響する場合は、変更内容を計画へ反映する必要がないか検討します。
関係機関との役割分担が変わったとき
学校、相談支援事業所、医療機関などとの連携内容や役割分担が変わった場合も、計画への反映を確認します。
新たな関係機関との連携が始まった場合や、支援方針に関わる重要な情報が共有された場合は、事業所内でどのように支援へ反映するかを整理します。
見直しは現在の個別支援計画から始める
見直しを始めるときは、現在の計画に何が書かれているかを確認し、実際の支援や記録と照らし合わせます。
前回の計画を確認せずに新しい目標を考えると、これまでの支援結果とのつながりが見えなくなります。まず、次の項目を整理します。
- 現在の個別支援計画の対象期間
- 本人・保護者の意向
- 長期目標・短期目標
- 具体的な支援内容と役割分担
- 日々の支援で実際に行ったこと
- 本人に見られた変化と現在の課題
- 前回の計画作成後に変化した生活状況
計画に書かれている内容と、日々の支援で実際に行われている内容にずれがないかを確認することが、見直しの出発点です。
個別支援計画を見直し・更新する手順
更新は、モニタリング、アセスメント、原案作成、個別支援会議、説明・同意・交付、職員共有の順で進めます。
- 現在の計画と支援経過を確認する
個別支援計画、日々の支援記録、前回のモニタリング記録などを確認します。 - モニタリングを実施する
支援の実施状況、目標の達成状況、支援方法の有効性、本人・家族の変化を評価します。 - アセスメントを更新する
本人・保護者の現在の意向、生活状況、発達状況、関係機関から得た情報を整理します。 - 継続・変更・終了する内容を整理する
目標と支援内容ごとに、次期計画へどのように反映するかを決めます。 - 個別支援計画の原案を作成する
モニタリングとアセスメントの結果をもとに、次期計画の目標や具体的な支援内容を作成します。 - 個別支援会議(担当者会議)で原案を検討する
支援を担当する職員から意見を求め、実行可能性や役割分担を確認します。 - 会議の意見を反映して計画を完成させる
原案の修正点と判断理由を整理し、次期計画を確定します。 - 本人・保護者へ説明し、同意を得て交付する
前回から継続する点、変更した点、その理由を分かりやすく説明します。 - 支援担当職員へ更新内容を共有する
新しい目標、具体的な支援方法、留意事項、適用開始日を共有します。 - 次回のモニタリング・見直し予定を設定する
更新手続きが完了した時点で、次回の予定を登録します。
更新は新しい計画書を作る作業だけではなく、前回の支援結果を評価し、その結果を次の支援へつなげる一連のプロセスです。
モニタリング結果を次の計画へ反映する
次期計画では、モニタリングで確認した本人の変化、支援の有効性、本人・家族の意向を具体的に反映します。
モニタリングで「一部達成」と評価しても、次の計画が前回と同じ文章のままでは、評価結果をどのように活用したのか分かりません。
| 見直しの判断 | 次期計画への反映例 |
|---|---|
| 目標を継続する | 継続する理由を整理し、次期に重点的に確認する点を明確にする |
| 目標の段階を進める | 達成できた内容を踏まえ、次に目指す行動や場面を設定する |
| 支援方法を変更する | 有効でなかった方法を見直し、本人が取り組みやすかった方法を取り入れる |
| 目標を終了する | 終了する根拠を残し、必要に応じて新しい課題や目標を設定する |
| 判断を保留する | 情報が不足している理由と、追加で確認する内容・時期を記載する |
前回と同じ内容を継続する場合も、「変化がないから」ではなく、現在の支援を継続することが適切だと判断した根拠を明確にします。
更新時は本人・保護者の現在の意向を確認する
前回計画に記載した意向をそのまま転記せず、本人・保護者の現在の希望や困りごとを改めて確認します。
計画期間中に本人の興味や希望、家庭での困りごと、保護者が期待する支援が変化することがあります。事業所側の評価だけで次の目標を決めず、本人・保護者の意向を更新します。
- 本人ができるようになったと感じていること
- 本人が現在困っていること
- 本人が今後取り組みたいこと
- 家庭や学校で見られる変化
- 保護者が現在希望している支援
- 利用方法や関係機関との連携に関する希望
確認した意向は聞き取り欄へ記載するだけでなく、目標や具体的な支援内容へどのように反映するかを検討します。
更新時の日付は実際の手続きに沿って記録する
モニタリング日、会議日、作成日、同意日、交付日、適用開始日は、それぞれの工程に沿って記録します。
すべての日付が同日になることもありますが、機械的に同じ日付へそろえる必要はありません。実際の経過と記録が一致し、手続きの前後関係を確認できることが重要です。
| 日付 | 意味 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| モニタリング日 | 現在の計画に基づく支援を評価した日 | 評価対象となった期間を確認できるか |
| 個別支援会議日 | 原案について職員の意見を確認した日 | モニタリング結果が会議に反映されているか |
| 作成日 | 次期計画を作成・確定した日 | 会議の意見を反映した完成版か |
| 説明・同意日 | 本人・保護者へ説明し、同意を得た日 | 実際に同意を確認した日か |
| 交付日 | 同意を得た完成版を交付した日 | 交付方法と合わせて記録されているか |
| 適用開始日 | 更新後の計画に基づく支援を開始する日 | 同意前から適用した形になっていないか |
期限に合わせるために日付をさかのぼらせるのではなく、必要な手続きを早めに開始し、実際の実施日を正確に残します。
更新後は職員共有と日々の支援記録へつなげる
更新後の個別支援計画は、支援を担当する職員へ共有し、日々の支援と記録へ反映して初めて実務上の意味を持ちます。
本人・保護者への説明・同意・交付が完了しても、現場職員が変更内容を把握していなければ、以前の支援方法が続く可能性があります。
更新後は、次の内容を職員間で確認します。
- 変更した目標と変更理由
- 継続する支援とその理由
- 新たに取り入れる支援方法
- 中止または変更する関わり方
- 職員ごとの役割分担
- 日々の記録で確認する本人の変化
- 更新後の計画の適用開始日
日々の支援記録には、新しい目標に沿ってどのような支援を行い、本人がどのように反応したかを残し、次のモニタリングにつなげます。
見直し・更新で起こりやすい不備
日付だけの更新や前回計画の複製では、本人の変化やモニタリング結果が次の支援へ反映されません。
事業所内では、次のような状態になっていないか確認しましょう。
- 前回の計画を複製し、期間と日付だけを変更している
- モニタリング結果が次期計画へ反映されていない
- 本人・保護者の意向が前回と同じ文章のままになっている
- 目標を継続・変更する理由が記録されていない
- 個別支援会議の開催前に計画が完成している
- 説明・同意を得る前から新しい計画を適用している
- 更新後の計画を支援担当職員が把握していない
- 日々の支援記録が前回の目標に沿ったままになっている
- 次回見直し予定日が設定されていない
計画書単体だけでなく、モニタリング記録、会議記録、説明・同意・交付の記録、日々の支援記録との整合を確認することが重要です。
見直し・更新のチェックポイント
更新手続きの完了時には、前回の評価から新しい支援の開始までが一連の流れとしてつながっているかを確認します。
- 現在の計画と支援経過を照らし合わせたか
- モニタリングで支援の実施状況と有効性を評価したか
- 本人・保護者の現在の意向を確認したか
- 目標や支援内容を継続・変更する理由が明確か
- モニタリング結果を原案へ反映したか
- 個別支援会議で原案について意見を求めたか
- 完成した計画を本人・保護者へ説明したか
- 同意を得た完成版を交付したか
- 更新内容を支援担当職員へ共有したか
- 日々の支援記録へ新しい目標を反映できる状態か
- 次回のモニタリング・見直し予定を設定したか
まとめ
個別支援計画は少なくとも6か月に1回以上見直し、本人の状態、生活環境、家族の意向、支援内容などに変化があった場合は、定期見直しを待たずに更新を検討します。
見直しでは、モニタリングとアセスメントを通じて現在の計画を評価し、目標や支援内容を継続・変更・終了する理由を整理します。その結果を原案へ反映し、個別支援会議、説明・同意・交付の手続きを進めます。
更新後は支援担当職員へ新しい計画を共有し、日々の支援記録から次のモニタリングへつなげることで、計画・支援・記録・見直しの循環を整えましょう。
参考資料
- e-Gov法令検索「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」
- こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について」
- こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A」
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