モニタリング記録の書き方|次の計画につなげる振り返りのポイント

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児童発達支援・放課後等デイサービスのモニタリング記録が、「できた」「継続する」「様子を見る」といった短い感想だけで終わっていないでしょうか。

モニタリング記録では、目標の達成状況だけでなく、実施した支援、本人に見られた変化、支援方法の有効性、本人・家族の意向、次の個別支援計画へ反映する内容を整理することが重要です。

評価結果が次の計画につながっていなければ、モニタリングを実施しても、目標や支援内容が毎回同じままになりやすくなります。この記事では、モニタリング記録に残したい項目、事実と評価の分け方、次の個別支援計画につなげる書き方を整理します。

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モニタリング記録は次の計画を考えるための評価記録

モニタリング記録は、一定期間の支援経過を振り返り、現在の目標や支援内容を継続・変更する必要があるかを判断するための記録です。

日々の支援記録には、その日に実施した支援や本人の様子を残します。一方、モニタリング記録では、一定期間の日々の記録をまとめ、個別支援計画に対してどのような結果が得られたかを評価します。

記録主な役割記載する内容
日々の支援記録一回ごとの支援経過を残す実施した支援、本人の反応、その日の変化、職員の関わり
モニタリング記録一定期間の支援をまとめて評価する目標の達成状況、支援の有効性、状況の変化、次の計画への反映事項

日々の出来事を並べるだけではなく、「この結果から次の支援をどうするか」まで記載することが、モニタリング記録の役割です。

モニタリング記録に残したい基本項目

記録では、評価対象、支援の実施状況、本人の変化、支援の有効性、本人・家族の意向、次の計画への反映事項を確認します。

  • 評価の対象となる個別支援計画と期間
  • 対象となる支援目標・具体的な支援内容
  • 計画した支援を実施できたか
  • 本人にどのような変化が見られたか
  • 支援方法や環境設定が有効だったか
  • 本人・家族の状況や意向に変化があったか
  • 目標や支援内容を継続・変更・終了するか
  • 次の個別支援計画へ反映する内容

事業所で使用している様式によって項目名は異なりますが、現在の計画を評価する情報と、次の計画を作るための情報が記録から読み取れる状態にすることが大切です。

「目標・事実・評価・次の対応」の順で書く

モニタリング記録は、目標を確認し、事実を整理し、評価を行い、次の対応を決める順番で書くとまとめやすくなります。

  1. 評価する目標を確認する
    どの長期目標・短期目標・具体的な支援内容を振り返るのかを明確にします。
  2. 一定期間の事実を整理する
    支援を実施した場面、本人の行動や発言、支援者の関わり、家庭や学校での様子などを確認します。
  3. 目標の達成状況と支援の有効性を評価する
    本人の変化と、変化につながった支援方法や環境を分けて考えます。
  4. 継続・変更・終了の判断を整理する
    現在の目標や支援内容を続けるのか、段階や方法を変えるのかを検討します。
  5. 次の個別支援計画へ反映する内容を書く
    次期目標、継続する支援、変更する支援、追加で確認する事項を具体的に残します。

「達成」「未達成」という判定だけで終わらず、その判断の根拠と、次に何をするかまで記録します。

事実と評価を分けて記録する

本人の行動や支援経過という事実と、職員が行った評価や判断を分けて記載します。

「落ち着いてきた」「成長した」「意欲がない」といった表現だけでは、どのような事実をもとに評価したのかが分かりません。具体的な場面や変化を先に記載し、その後に評価を加えます。

記録の種類記載内容の例
事実活動開始前に予定表を確認すると、職員の声かけ1回で席へ移動できる場面が増えた
評価予定を視覚的に示す支援が、活動の切り替えに有効だったと考えられる
次の対応視覚的な予定提示を継続し、自分で予定表を確認する機会を増やす

事実、評価、次の対応をつなげて書くことで、判断の根拠と次期計画への反映内容が分かりやすくなります。

目標の達成状況は段階的に評価する

目標の評価では、達成・未達成の二択ではなく、本人に見られた途中の変化や必要な支援量も確認します。

目標を完全に達成していなくても、職員の支援を受けながら取り組めるようになった、取り組める場面が増えた、拒否の時間が短くなったなど、計画作成時からの変化が見られることがあります。

  • どのような場面で取り組めたか
  • どの程度の頻度で確認できたか
  • どのような支援があれば取り組めたか
  • 職員の声かけや援助がどの程度必要だったか
  • 特定の職員・場所・活動だけで見られた変化か
  • 家庭や学校など別の場面でも変化が見られたか

達成状況を具体的に書くことで、現在の目標を継続するのか、次の段階へ進めるのかを判断しやすくなります。

本人だけでなく支援の有効性も振り返る

モニタリングでは、本人ができたかどうかだけでなく、事業所が計画した支援を実施できたか、その方法が有効だったかを評価します。

目標を達成できなかったときに、「本人の意欲が低かった」「理解が難しかった」と本人側の理由だけを書くと、支援方法の改善点が見えません。

次のような視点から、支援者側の取組も確認します。

  • 計画した支援を必要な場面で実施できたか
  • 職員間で支援方法を統一できていたか
  • 声かけ、視覚提示、環境調整などが本人に合っていたか
  • 活動の難易度や時間設定が適切だったか
  • 本人の強みや興味を支援に活用できたか
  • 家庭や学校などとの情報共有が支援に反映されたか

目標が未達成でも、支援方法を変えることで改善が期待できる場合は、本人の目標をすぐに下げるのではなく、支援内容の見直しを検討します。

うまくいった条件と本人の強みを残す

課題だけでなく、本人が取り組みやすかった条件や、支援に活かせる強みも記録します。

モニタリング記録が困りごとや未達成の内容に偏ると、次の個別支援計画も課題への対応だけになりやすくなります。

本人が取り組めた場面について、次のような条件を確認します。

  • 興味のある活動を取り入れたとき
  • 見通しを事前に伝えたとき
  • 少人数や落ち着いた環境で取り組んだとき
  • 本人が方法や順番を選べたとき
  • 言葉以外の方法で気持ちを伝えられたとき
  • 得意なことをきっかけに活動へ参加できたとき

成功した条件を具体的に残すことで、次の計画でも再現しやすい支援方法として活用できます。

本人・家族の状況と意向の変化を記録する

計画作成時から本人・家族の生活状況や希望が変わっていないかを確認し、次の目標や支援内容へ反映します。

事業所内では目標に向けた変化が見られていても、家庭や学校では別の困りごとが生じている場合があります。反対に、事業所では小さな変化に見えても、家庭での生活が安定するなど、本人・家族にとって大きな意味を持つこともあります。

モニタリングでは、次の内容を確認します。

  • 本人が感じている変化や困りごと
  • 本人が今後取り組みたいこと
  • 家庭や学校で見られる変化
  • 保護者が現在希望している支援
  • 進級・進学など生活環境の変化
  • 関係機関との役割分担や連携状況の変化

本人・家族から聞いた内容をそのまま転記するだけでなく、計画のどの目標や支援内容へ反映するかを整理します。

次の計画への反映事項を具体的に書く

モニタリング記録の結論では、目標や支援内容を継続・変更・終了する判断と、その理由を明確にします。

判断記録する内容
継続現在の目標・支援を続ける理由と、次期に重点的に確認する点
変更変更する目標・支援内容、変更理由、新たに取り入れる方法
段階を進める達成した内容と、次に目指す具体的な段階
終了目標を終了する根拠と、終了後も確認する事項
追加確認現時点で判断できない理由、追加で集める情報、確認時期

「現状維持」「継続支援」とだけ書くのではなく、何を継続するのか、なぜ継続するのか、次回は何を確認するのかを記載します。

次の個別支援計画を作成する人が読んだときに、目標や支援内容をどのように組み立て直すか分かる記録を目指します。

モニタリング記録の書き方の例

記録例では、抽象的な感想を、事実・評価・次の対応が分かる文章へ置き換えます。

目標の評価が短すぎる例

「一部達成。引き続き支援する」だけでは、評価の根拠や次の支援方法が分かりません。

書き方記録例
改善前一部達成。引き続き支援する。
改善後活動前に写真付きの手順を提示すると、職員の声かけを受けながら自分で準備を進める場面が増えた。一方、予定変更時には行動が止まることがある。視覚的な手順提示は継続し、変更内容を事前に伝える支援を次期計画へ反映する。

本人の課題だけを書いている例

本人の行動だけを問題として記録せず、支援環境や職員の関わりも振り返ります。

書き方記録例
改善前集中力がなく、集団活動に参加できなかった。
改善後大人数で説明時間が長い活動では離席が見られたが、少人数で手順を短く伝えた場面では約10分間参加できた。活動人数と説明方法を調整することで参加しやすくなると考えられるため、次期は少人数から参加時間を広げる支援を検討する。

継続理由が分からない例

同じ目標を継続する場合も、継続する理由と次期に確認する点を記載します。

書き方記録例
改善前目標は継続とする。
改善後職員が選択肢を二つ示すと自分の希望を選べる場面が増えたが、自発的に希望を伝える場面は限られている。選択肢を用いた支援は有効であるため継続し、次期は本人から意思表示する機会を増やす。

これらは書き方を整理するための例です。実際の記録では、本人の個別支援計画、日々の支援記録、本人・家族の意向に基づいて評価します。

複数の記録と職員の意見をもとに書く

モニタリング記録は、児童発達支援管理責任者(児発管)一人の印象ではなく、日々の記録や関係職員から得た情報をもとに作成します。

利用する曜日、担当職員、活動内容によって本人の様子が異なることがあります。一つの場面だけで達成状況を判断せず、一定期間の記録を確認します。

  • 現在の個別支援計画
  • 日々の支援記録
  • 本人・家族への聞き取り内容
  • 支援を担当する職員の意見
  • 学校や相談支援事業所などから得た必要な情報
  • 利用頻度や生活環境の変化

記録や職員の見方に違いがある場合は、どの場面や条件で違いが生じているのかを整理し、その違いも評価材料として残します。

モニタリング記録を作成する基本手順

記録作成は、対象計画の確認、情報収集、評価、意向確認、次期計画への反映という順序で進めます。

  1. 評価対象となる計画と期間を確認する
    長期目標、短期目標、具体的な支援内容、計画期間を確認します。
  2. 日々の支援記録を目標ごとに整理する
    本人の変化、職員の関わり、うまくいった条件、難しかった場面を集めます。
  3. 関係職員から支援状況を確認する
    曜日や活動、担当者による違いがないかを確認します。
  4. 本人・家族の状況と意向を確認する
    計画作成時からの変化や、新たな希望・困りごとを整理します。
  5. 目標の達成状況と支援の有効性を評価する
    本人の変化と支援方法の効果を分けて検討します。
  6. 次期計画への反映事項をまとめる
    継続・変更・終了する内容と、その理由を記録します。
  7. 個別支援会議や計画の見直しへつなげる
    モニタリング結果を原案作成や会議で共有し、次の個別支援計画へ反映します。

モニタリング記録で避けたい書き方

感想、抽象的な評価、本人側の課題だけで終わる記録では、次の支援を検討する材料が不足します。

  • 「順調」「変化なし」「様子を見る」だけで終わっている
  • 「達成・一部達成・未達成」の判定しか記載していない
  • 本人ができなかった理由だけを書いている
  • 計画した支援を実施できたか確認していない
  • 日々の支援記録にない内容を印象だけで記載している
  • 本人・家族の現在の意向が記録されていない
  • 前回と同じ文章をそのまま使用している
  • 次の個別支援計画へ何を反映するか書かれていない

文章を長くすることが目的ではなく、評価の根拠と次の対応を具体的に残すことが重要です。

次の計画につながる記録のチェックポイント

完成した記録を読み返し、現在の評価と次期計画の方向性を説明できるか確認します。

  • どの計画・目標を評価した記録か分かるか
  • 計画した支援の実施状況が記載されているか
  • 本人に見られた具体的な変化が分かるか
  • 事実と職員の評価が区別されているか
  • 支援方法や環境設定の有効性を振り返っているか
  • 本人の強みやうまくいった条件が記載されているか
  • 本人・家族の状況や意向の変化を確認したか
  • 目標や支援内容を継続・変更する理由が分かるか
  • 次の個別支援計画へ反映する事項が具体的か

モニタリング記録だけを読んでも、これまでの支援結果と次に取り組む内容がつながって見える状態を目指しましょう。

まとめ

モニタリング記録では、目標の達成状況、支援の実施状況と有効性、本人・家族の変化、次の個別支援計画への反映事項を整理します。

「できた・できなかった」という判定だけではなく、どのような場面で、どのような支援があれば取り組めたのかを具体的に記載します。また、本人側の変化だけでなく、職員の関わりや環境設定が適切だったかも振り返ることが重要です。

目標、事実、評価、次の対応をつなげて記録し、継続・変更・終了する支援とその理由を明確にすることで、モニタリングを次の個別支援計画へつなげましょう。

参考資料

モニタリングから計画見直しまでを整理したい方へ
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