令和6年度報酬改定では、児童発達支援・放課後等デイサービスなどにおいて、5領域を含めた総合的な支援を行うことが基本とされました。
5領域とは、こどもの発達や生活を幅広くとらえるための視点です。
この記事では、5領域の内容と、事業所で確認しておきたいポイントを整理します。

5領域とは
5領域とは、こどもの発達や生活を多面的にとらえるための、次の5つの領域を指します。
- 健康・生活
- 運動・感覚
- 認知・行動
- 言語・コミュニケーション
- 人間関係・社会性
日々の支援では、これらの領域を踏まえながら、こども一人ひとりの特性や発達段階に合わせて支援内容を考えていくことが大切です。
健康・生活
健康・生活は、こどもの心身の健康や、日常生活に関する領域です。
たとえば、生活リズム、食事、排泄、着替え、身の回りの準備、体調の安定などが関係します。
支援の中では、こどもが安心して過ごせる環境を整えながら、生活に必要な力を少しずつ身につけられるように関わることが大切です。
運動・感覚
運動・感覚は、体の動かし方や、感覚の受け取り方に関する領域です。
走る、跳ぶ、座る、姿勢を保つ、手先を使うといった運動面のほか、音、光、触覚、においなどへの感じ方も関係します。
こどもによって、感覚への反応や体の使い方には違いがあります。活動の中で、無理なく体を動かせることや、安心して参加できる環境を整えることが大切です。
認知・行動
認知・行動は、ものごとの理解や判断、行動の調整に関する領域です。
たとえば、順番を待つ、見通しを持つ、ルールを理解する、気持ちを切り替える、状況に合わせて行動することなどが含まれます。
支援では、こどもが見通しを持ちやすいように予定を伝えたり、行動の切り替えがしやすいように声かけや環境を工夫したりすることが考えられます。
言語・コミュニケーション
言語・コミュニケーションは、ことばや意思表示、やりとりに関する領域です。
話すことだけでなく、表情、身振り、指差し、絵カード、文字、視線など、こどもが自分の気持ちや要求を伝える方法も含まれます。
こどもによって、伝えやすい方法は異なります。ことばだけに限らず、本人が使いやすい方法で気持ちを伝えられるように支援することが大切です。
人間関係・社会性
人間関係・社会性は、人との関わり方や、集団の中での過ごし方に関する領域です。
友だちや職員との関わり、順番を守る、役割を持つ、遊びに参加する、気持ちを共有することなどが含まれます。
集団活動に参加することだけが目的ではなく、こどもが安心できる関係の中で、少しずつ人との関わり方を経験していくことが大切です。
5領域は別々ではなく、つながっている
5領域は、それぞれを別々に切り分けて考えるものではありません。
たとえば、「順番を待つ」という支援には、認知・行動だけでなく、人間関係・社会性、言語・コミュニケーション、感覚面の調整などが関係することがあります。
また、「気持ちを伝える」という支援でも、ことばの表出だけでなく、相手との関係、場面の理解、気持ちの切り替えなど、複数の領域が関係します。
このように、実際の支援はひとつの領域だけで完結するものではありません。日々の活動を、複数の領域が重なり合う支援としてとらえることが大切です。
事業所で確認したいポイント
5領域を踏まえた支援を行うためには、日々の活動や個別支援計画の内容が、どの領域と関係しているのかを確認しておく必要があります。
- 日々の活動が5領域のどこに関係しているか
- 個別支援計画の支援内容と5領域のつながりが整理されているか
- こどもの特性や発達段階に合わせた支援内容になっているか
- 特定の領域だけに偏らず、総合的な支援として考えられているか
- 支援記録や保護者への説明の中で、支援のねらいを説明できるか
5領域を整理しておくことで、日々の活動が単なる遊びや活動名だけで終わらず、こどもの発達や生活にどうつながる支援なのかを説明しやすくなります。
また、個別支援計画や支援記録とつなげて確認することで、事業所内での共有や保護者への説明にも活用しやすくなります。
確認ポイント
5領域を含めた総合的な支援では、活動名そのものよりも、その活動を通して何を支援するのかを整理することが大切です。
同じ活動でも、こどもによって支援のねらいや関わり方は異なります。個別支援計画や日々の記録を見直す際は、支援内容が5領域とどのようにつながっているかを確認しておきましょう。
なお、5領域との関連づけや個別支援計画での記載方法については、関係する告示、通知、事務連絡、自治体からの案内もあわせて確認しておくと安心です。
