児童発達支援や放課後等デイサービスの個別支援計画は、アセスメントをもとに原案を作れば完了するものではありません。個別支援会議(担当者会議)での検討、本人・家族への説明・同意・交付、計画に沿った支援、モニタリング、見直しまでが一連の流れです。
各工程の順番や記録が曖昧になると、「いつ原案を作成したのか」「いつ同意を得たのか」「モニタリングを次の計画へどう反映したのか」が確認しにくくなります。この記事では、アセスメントから交付・モニタリングまでの基本的な流れを、事業所で確認しやすいように整理します。

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個別支援計画を作成する基本的な流れ
児童発達支援では児童発達支援計画、放課後等デイサービスでは放課後等デイサービス計画を作成します。この記事では、これらをまとめて「個別支援計画」と表記します。
作成の基本的な流れは、次のとおりです。
- 本人・家族の意向や生活状況をアセスメントする
- 支援方針や目標を整理し、個別支援計画の原案を作成する
- 個別支援会議(担当者会議)で原案を検討する
- 本人・家族へ説明して同意を得る
- 同意を得た個別支援計画を交付し、職員間で共有する
- 計画に沿って支援を行い、日々の状況を記録する
- モニタリングを実施し、必要に応じて見直す
実務では、工程ごとに別々の書類を作ることが目的になりがちです。しかし大切なのは、前の工程で整理した内容を次の工程へつなげることです。
流れ1|本人・家族の状況をアセスメントする
アセスメントは、個別支援計画を作成するために必要な情報を収集し、整理する工程です。単なる聞き取りではなく、本人の状況や強み、困りごと、生活環境、本人・家族の意向などを支援の視点から整理します。
確認する情報は、一つの場面だけで判断しないことが大切です。本人・家族からの聞き取りに加え、事業所での様子や、必要に応じて学校、園、相談支援事業所、医療機関などから得た情報も踏まえます。
- 本人が希望していることや大切にしていること
- 家族が希望する生活や支援の方向性
- 日常生活、コミュニケーション、行動などの状況
- 本人の得意なこと、興味、強み
- 家庭、学校、園、地域での生活状況
アセスメントで集めた情報は、次の工程である目標設定や支援内容の検討に使います。情報を集めるだけで終わらせず、どのような支援が必要なのかを整理することがポイントです。
流れ2|個別支援計画の原案を作成する
アセスメントの内容をもとに、児童発達支援管理責任者(児発管)が中心となって個別支援計画の原案を作成します。
原案では、本人・家族の意向、支援の全体的な方針、長期目標・短期目標、具体的な支援内容などを整理します。目標と支援内容を別々に考えるのではなく、「何を目指し、そのために何を行うのか」が対応する形にすることが重要です。
- アセスメントで把握したニーズを目標につなげる
- 本人の強みを生かせる支援方法を考える
- 誰が読んでも支援の意図が分かる内容にする
- 日々の支援で実施・記録できる内容にする
長期目標・短期目標の具体的な書き方や、5領域を踏まえた支援内容の整理については、それぞれの解説記事で詳しく確認します。
流れ3|個別支援会議(担当者会議)で原案を検討する
原案を作成した後は、個別支援会議(担当者会議)を開き、支援に関わる職員の意見を踏まえて内容を検討します。
児発管だけで計画内容を決めるのではなく、日頃から本人に関わっている職員の視点を取り入れることで、事業所で実施できる具体的な計画へ整えやすくなります。
- アセスメントの内容と目標がつながっているか確認する
- 支援内容が本人の状況に合っているか検討する
- 職員間で支援方法や留意点を共有する
- 会議で出た意見と検討結果を記録する
会議の開催だけで終わらせず、誰が参加し、どのような意見を踏まえて原案を整理したのかを確認できるようにしておくことが大切です。
流れ4|本人・家族へ説明し、同意を得る
会議での検討を踏まえて計画内容を整えたら、本人や家族へ説明します。目標や支援内容を読み上げるだけではなく、なぜこの目標や支援内容にしたのかを分かりやすく説明することが重要です。
説明の際は、本人・家族の認識や希望と計画内容にずれがないかを確認します。意見や要望があった場合は、その内容を踏まえて必要な調整を行い、計画内容について同意を得ます。
- 支援の全体的な方針を説明する
- 長期目標・短期目標の意味を共有する
- 具体的な支援内容と役割を確認する
- 本人・家族からの意見や質問を確認する
- 説明日や同意日を記録する
作成日、説明日、同意日を同じ意味で扱わないよう注意が必要です。具体的な期限や日付の考え方については、作成期限と同意日を扱う記事で詳しく整理します。
流れ5|個別支援計画を交付し、職員間で共有する
本人・家族から同意を得た個別支援計画は、本人・家族へ交付します。説明して署名を得ただけで終わらず、交付まで行ったことを確認できるようにしておきます。
事業所内では、実際に支援へ入る職員が計画内容を把握できるように共有します。個人情報の取扱いに配慮しながら、支援目標、具体的な支援内容、支援上の留意点を職員間で共有することが大切です。
- 本人・家族へ計画を交付したか
- 交付日や交付方法を確認できるか
- 支援に関わる職員が計画を確認できるか
- 修正後の最新版が共有されているか
流れ6|計画に沿って支援し、日々の状況を記録する
個別支援計画を交付した後は、計画に沿って支援を実施します。現場職員が計画の目標や支援内容を理解していないと、計画と実際の支援が分かれてしまいます。
日々の記録では、実施した活動だけでなく、計画上の目標や支援内容との関係を意識します。本人の反応、変化、うまくいった支援、調整が必要な点などを残すことで、モニタリングに使える記録になります。
- 計画に沿ってどのような支援を行ったか
- 支援に対して本人がどのように反応したか
- 目標に関係する変化や経過があったか
- 次回の支援で継続・調整したいことは何か
活動内容だけの記録になっていないか、計画に記載した目標が日々の記録から確認できるかを、定期的に振り返ることが大切です。
流れ7|モニタリングを行い、計画を見直す
モニタリングは、計画に基づく支援の実施状況や目標の達成状況を確認し、今後の支援について整理する工程です。
「できた」「できなかった」だけで評価するのではなく、本人の変化、支援方法の適切さ、生活環境の変化、本人・家族の意向などを確認します。継続する支援、変更する支援、新たに必要となった支援を整理することがポイントです。
- 目標に対してどのような変化があったか評価する
- 支援内容や方法が本人に合っていたか確認する
- 本人・家族の現在の意向を確認する
- 次の計画へ反映する内容を整理する
モニタリングの結果、目標や支援内容の変更が必要な場合は、再度アセスメントや原案の検討を行い、個別支援計画を見直します。モニタリングを次の計画作成へつなげることで、一連のサイクルが続きます。
作成の流れでは日付と記録のつながりも確認する
事業所でつまずきやすいのが、各工程の日付や記録の整理です。個別支援計画に関する日付には、原案を作成した日、会議を行った日、説明した日、同意を得た日、交付した日などがあります。
これらをすべて同じ日付として扱うのではなく、各工程をいつ実施したのかが分かる形で記録することが重要です。
- アセスメントの実施記録が残っているか
- 原案の作成時期と会議記録が対応しているか
- 説明日・同意日・交付日を確認できるか
- 日々の記録がモニタリングにつながっているか
- モニタリング結果が見直し後の計画へ反映されているか
まず確認したいのは、制度上必要な書類がそろっているかだけではありません。事業所内で同じ流れに沿って運用し、工程間のつながりを説明できる状態にすることが大切です。
まとめ
個別支援計画の作成は、アセスメントから原案作成、会議、説明・同意・交付、支援、記録、モニタリング、見直しまでが一連の流れです。
それぞれの工程を別々に終わらせず、前の工程で把握した情報を次の工程へつなげましょう。本人・家族の意向を計画へ反映し、計画に沿って支援と記録を行い、モニタリング結果を次の計画へつなげることが、個別支援計画を実際の支援に生かすポイントです。
参考資料
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