こんにちは。ヨシムラです。
普段、私はミュージカルなどの舞台演劇を観に行く機会はめったにないのですが、先日、お世話になっている取引先の方からお誘いを受け、少し特別な舞台を観劇してきました。わらび座とヘラルボニーのコラボレーションによる、イーハトーブシアター『真昼の星めぐり』the Musicalです。
今回私がなぜこの舞台に足を運んだかというと、「インクルーシブアートとミュージカルのコラボレーション」という点に強く惹かれたためです。私たちアルバトロスは、障害児福祉の現場をITシステムで支える事業を行っています。そのため「福祉」や「インクルーシブ」といったキーワードがエンターテインメントの世界でどのように表現されるのか、システムを作る人間の視点からもぜひ体験してみたいと思いました。
実際に観劇してみて、特に私の心に深く残ったポイントが二つあります。
第一に、作品の根底に流れる「テーマ」です。 宮沢賢治の描いた「すべての命が平等で繋がっている世界(イーハトーブ)」を舞台に物語が進むのですが、そこにあったのは「他者との比較や競争」という価値観ではなく、「個人がありのままに生きる」という非常にあたたかく、力強いメッセージでした。 障害の有無に関わらず、一人ひとりが自分の個性を大切にし、ありのままで輝ける社会を作っていく。これはまさに、私たちがアルバトロスのシステムを通じて実現したいと願っている「インクルーシブな社会の構築」というビジョンと完全に一致するものでした。普段ミュージカルを見ない私でも、スッとその世界観に入り込み、深く共感することができました。
第二に、散りばめられた「インクルーシブアート」の在り方です。 ヘラルボニーの契約作家たちが描く、異彩を放つアートが随所に用いられているのですが、それらがただ展示物のように普通に配置されているだけではありませんでした。舞台セットや背景、演出の一部として見事に「舞台装置」の中に溶け込んでいたのです。 作家たちの純粋なエネルギーや独特の色彩が、宮沢賢治の描く不思議な世界観を物質的に形作っており、アートが物語と完全に一体化して境界線のない空間を生み出している様子に、深い感銘を受けました。
さらに、システム開発に携わる者として非常に面白かったのが、テクノロジーを活用した「体験型の演出」です。 今回は「光るボール」を膝の上に抱えて鑑賞する席だったのですが、このボールが劇の進行に合わせて様々な色に光ったり、点滅したりするのです。これはライブのペンライトなどで使われる無線通信技術を応用したもので、舞台裏から送られる信号を受信して自動で光る仕組みになっています。
ボールを持っている私たち観客自身が、時には満天の星空の一部になり、時には川底の景色の一部になる。この「システムによる制御」が、単なる技術の見せびらかしではなく、会場全体の一体感や「誰もが世界の一部として繋がっている」というインクルーシブな空間を作るための見事な仕掛けとして機能していました。シンプルな通信技術が、これほどまでに人の心を動かす体験を生み出すのかと、大変刺激を受けました。
今回の観劇は、私たち自身の仕事の意義を見つめ直す素晴らしい機会となりました。テクノロジーは単に業務を効率化するだけではなく、人と人を繋ぎ、優しい社会を作るための力になります。
『真昼の星めぐり』で感じた「ありのままに生きる」ことの尊さを胸に、これからも放課後等デイサービスや児童発達支援の現場を支え、子どもたちの未来に貢献できるシステム作りに邁進してまいります。




