支援時間と基本報酬の考え方【令和6年度報酬改定】

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令和6年度報酬改定では、児童発達支援・放課後等デイサービスの基本報酬について、支援時間に応じた区分が設けられました。

これにより、個別支援計画に定めた支援時間に応じて、基本報酬を確認する必要があります。

支援時間は、単に「事業所にいた時間」や「実際に来所していた時間」だけで判断するものではありません。

個別支援計画に位置付けられた支援を行うために必要な標準的な時間として整理することが重要です。

この記事では、児童発達支援・放課後等デイサービスにおける支援時間と基本報酬の考え方について、事業所で確認しておきたいポイントを整理します。

支援時間による3つの区分

児童発達支援・放課後等デイサービスでは、支援時間による区分として、次の3つが示されています。

  • 時間区分1:30分以上1時間30分以下
  • 時間区分2:1時間30分超3時間以下
  • 時間区分3:3時間超5時間以下

放課後等デイサービスについては、授業終了後と学校休業日の区分が統合され、支援時間に応じた時間区分で算定する考え方になっています。

ただし、時間区分3は学校休業日のみ算定可能とされています。

30分未満の支援は原則として算定対象外

今回の改定では、極めて短時間の支援について、基本報酬の算定対象から原則として除外する考え方が示されています。

支援の提供時間は、30分以上5時間以下の間で定めることが基本です。

30分未満の支援については、周囲の環境に慣れるために支援時間を短くする必要がある場合など、市町村が認めた場合に限り算定可能とされています。

そのため、短時間利用がある場合は、個別支援計画自治体の取扱いを確認しておくことが大切です。

支援時間は実際の滞在時間だけでは判断しない

支援時間を確認するときに注意したいのは、支援時間が必ずしも「実際に事業所にいた時間」と同じではないという点です。

こども家庭庁の資料では、支援の提供時間について、現に支援に要した時間ではなく、個別支援計画に位置付けられた内容の支援を行うのに要する標準的な時間とされています。

つまり、基本になるのは、個別支援計画に定めた提供時間です。

ただし、実際の提供時間が計画より短くなった場合には、その理由によって確認方法が変わります。

事業所都合で支援時間が短くなった場合

事業所側の都合で支援時間が短くなった場合は、実際に支援を行った時間をもとに算定する必要があります。

たとえば、職員体制や事業所側の事情により、予定していた支援時間より短くなった場合は、計画上の時間ではなく、実際に提供した支援時間を確認します。

この場合、個別支援計画に定めた時間と実際の支援時間にずれが生じるため、記録上も理由が確認できる状態にしておくことが大切です。

利用者側の事情で支援時間が短くなった場合

一方で、こども本人や保護者の事情により支援時間が短くなった場合は、個別支援計画に定めた時間により算定する考え方が示されています。

たとえば、家庭の都合で早めに帰宅した場合や、体調等により予定より短い利用となった場合などが考えられます。

ただし、個別支援計画に定めた支援内容や提供時間が、実際の支援提供と合っていない状態が続く場合は、速やかに個別支援計画の見直し・変更を行うことが求められています。

5時間を超える支援は延長支援加算で確認する

基本報酬の支援時間は、30分以上5時間以下の範囲で定めることが基本です。

5時間を超える長時間の支援については、基本報酬の時間区分ではなく、預かりニーズに対応した延長支援として、延長支援加算で評価する考え方が示されています。

放課後等デイサービスについては、平日は3時間、学校休業日は5時間が、延長支援加算との関係で重要になります。

延長支援加算の具体的な考え方は、別の記事で整理します。

重症心身障害児等の事業所は時間区分の対象外

支援時間による区分は、すべての事業所に同じように導入されるわけではありません。

こども家庭庁の資料では、主として重症心身障害児を通わせる事業所、共生型、基準該当の基本報酬については、時間区分を導入しないとされています。

そのため、自事業所がどの報酬体系に該当するのかを確認したうえで、支援時間区分の考え方を確認する必要があります。

請求時に確認したいポイント

支援時間は、請求内容に直接関わるため、請求前に確認しておきたい項目です。

特に、次の点を確認しておくとよいでしょう。

  • 個別支援計画に提供時間が記載されているか
  • 支援内容と提供時間が実態に合っているか
  • 時間区分1・2・3のどれに該当するか
  • 30分未満の支援がある場合、算定できる理由が確認できるか
  • 実際の支援時間が計画より短くなった場合、その理由が記録されているか
  • 事業所都合による短縮か、利用者側の事情による短縮かを確認できるか
  • 5時間を超える支援や、放課後等デイサービス平日の3時間を超える支援について、延長支援加算との関係を確認しているか
  • 自事業所が時間区分の対象となる報酬体系か確認しているか

計画・実績・請求内容の整合性が重要

支援時間の確認では、個別支援計画実際の利用状況支援記録請求内容がつながっていることが大切です。

計画上の提供時間と、実際の支援内容や利用状況が大きくずれている場合、算定内容の確認や計画の見直しが必要になることがあります。

特に、支援時間の区分が変わる境目にあたるケースでは、記録請求設定を丁寧に確認しておくと安心です。

支援時間は、単なる時間入力ではなく、個別支援計画に基づいた支援内容を確認するための重要な項目です。

請求時には、支援時間の区分だけを見るのではなく、その時間でどのような支援を行う計画になっているのかまで確認しておくことが大切です。

確認ポイント

支援時間と基本報酬を確認するときは、まず個別支援計画に定めた提供時間を確認しましょう。

そのうえで、実際の利用状況や支援記録、請求内容と照らし合わせ、計画・実績・請求内容にずれがないかを見直しておくことが大切です。

また、30分未満の支援、5時間を超える支援、事業所都合による短縮、利用者側の事情による短縮などは、算定の考え方が変わる場合があります。

実際の請求にあたっては、こども家庭庁の資料に加えて、関係する告示、通知、事務連絡、自治体からの案内も確認しておきましょう。

出典:こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援関係)の改定事項の概要」