保育所等訪問支援に関する変更点【令和6年度報酬改定】

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令和6年度報酬改定では、保育所等訪問支援についても、いくつかの見直しが行われました。

保育所等訪問支援は、こどもが通っている保育所、幼稚園、学校などを訪問し、集団生活への適応や、訪問先での支援体制づくりを行うサービスです。

今回の改定では、訪問支援の質を高めるため、訪問先との連携個別支援計画支援時間評価・公表ケアニーズの高い児への支援などが整理されています。

この記事では、保育所等訪問支援で確認しておきたい主な変更点を整理します。

保育所等訪問支援とは

保育所等訪問支援は、こどもが普段過ごしている集団生活の場に訪問し、本人への支援や、訪問先施設への助言・援助を行うサービスです。

訪問先としては、保育所幼稚園認定こども園学校などが考えられます。

支援の目的は、こどもが訪問先で安心して過ごし、集団生活に参加しやすくなるようにすることです。

そのため、保育所等訪問支援では、こども本人への支援だけでなく、訪問先施設との連携や、職員への助言も重要になります。

訪問先と連携した個別支援計画の作成

保育所等訪問支援では、訪問先施設との連携を踏まえて、個別支援計画を作成することが大切です。

事業所だけで支援内容を決めるのではなく、訪問先でのこどもの様子、困りごと、集団生活で必要な配慮などを確認しながら、支援内容を整理します。

確認したい内容としては、次のようなものがあります。

  • 訪問先でのこどもの様子
  • 集団生活の中で困りやすい場面
  • 訪問先施設が感じている課題
  • 本人に必要な支援
  • 訪問先職員への助言・援助の内容
  • 保護者の意向
  • 支援の目標や見直し時期

個別支援計画には、訪問先での支援がどのような目的で行われるのかを整理しておく必要があります。

特に、本人支援と訪問先への助言・援助がどうつながるのかを確認できるようにしておくと、支援の方向性が共有しやすくなります。

支援時間の下限を確認する

保育所等訪問支援では、支援時間についても確認が必要です。

今回の改定では、効果的な支援を確保する観点から、支援時間の下限に関する考え方が示されています。

短時間の訪問だけでは、こどもの様子を把握したり、訪問先職員と支援内容を共有したりすることが難しい場合があります。

そのため、訪問支援を行う場合は、単に訪問した事実だけでなく、必要な支援時間を確保できているかを確認することが重要です。

訪問時間、本人への支援、訪問先職員との共有、記録内容がつながっているかを見ておくと、請求時にも確認しやすくなります。

訪問先施設との関係機関連携加算

保育所等訪問支援では、令和6年度報酬改定で関係機関連携加算が新設されています。

これは、訪問先施設と情報共有や連携を行い、支援内容の確認や調整を行う場合に関係する加算です。

訪問先施設との連携では、こどもの様子を共有するだけでなく、支援方針や配慮事項を確認し、訪問先での支援に反映していくことが大切です。

確認したい内容としては、次のようなものがあります。

  • 訪問先施設名
  • 連携した日付
  • 連携した相手
  • 共有した内容
  • 訪問先での困りごと
  • 今後の支援方針
  • 個別支援計画への反映が必要な内容

関係機関連携加算を確認する場合は、訪問先と何を共有し、支援にどう活かしたかがわかる記録にしておくことが大切です。

自己評価・保護者評価・訪問先評価の導入

保育所等訪問支援では、自己評価保護者評価訪問先施設評価の実施が求められるようになりました。

事業所の従業者による評価を踏まえて自己評価を行い、さらに保護者や訪問先施設からの評価を受けて、支援内容の改善につなげることが求められています。

また、これらの評価と改善内容については、おおむね1年に1回以上、保護者と訪問先施設に示すとともに、インターネット等で公表する必要があります。

確認したい評価は、次の3つです。

  • 自己評価:事業所自身が支援内容や運営状況を振り返る評価
  • 保護者評価:保護者から見た支援内容や説明のわかりやすさなどの評価
  • 訪問先施設評価:訪問先施設から見た連携や助言内容などの評価

評価は、実施するだけでなく、結果を踏まえて改善につなげることが重要です。

自己評価等未公表減算に注意する

自己評価、保護者評価、訪問先施設評価の実施・公表が行われていない場合は、自己評価等未公表減算の対象になります。

減算の内容は、所定単位数の85%を算定するものです。つまり、15%減算となります。

この減算は、令和7年4月1日から適用されるものとされています。

そのため、保育所等訪問支援を行う事業所では、評価の実施状況だけでなく、公表状況届出内容も確認しておく必要があります。

特に、評価を実施したが公表していない公表内容を届け出ていないといった状態にならないよう注意が必要です。

訪問支援員特別加算の見直し

保育所等訪問支援では、訪問支援員特別加算についても見直しが行われています。

訪問支援員特別加算は、一定の資格や経験を有する訪問支援員を配置している場合に確認する加算です。

確認する資格や経験としては、保育士、児童指導員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、児童発達支援管理責任者、サービス管理責任者、相談支援専門員、心理担当職員などが関係します。

ただし、単に資格があるだけではなく、指定保育所等訪問支援等の業務に従事した経験も確認する必要があります。

請求時には、対象となる職員の資格・経験・配置状況が届出内容と合っているかを確認しておくことが大切です。

多職種連携支援加算の確認

保育所等訪問支援では、居宅訪問型児童発達支援と同様に、多職種連携支援加算も関係します。

多職種連携支援加算は、職種の異なる複数人が連携して訪問支援を行った場合に確認する加算です。

あらかじめ、こどものアセスメントに基づいて、多職種連携による支援の必要性と支援内容を個別支援計画に明記し、保護者の同意を得ることが必要です。

また、支援にあたる複数人が、支援の提供に要する時間を通じて滞在し、連携して支援を行う必要があります。

訪問支援を行った後は、それぞれの職種の専門性の観点から記録を残します。

多職種で訪問する場合は、誰が同行したかだけでなく、それぞれの専門性から何を確認し、どう支援に反映したかを記録しておくことが重要です。

ケアニーズ対応加算の新設

令和6年度報酬改定では、保育所等訪問支援において、ケアニーズ対応加算が新設されました。

これは、重症心身障害児等の著しく重度の障害児や医療的ケア児に対して、保育所等訪問支援を行った場合に確認する加算です。

単位数は、120単位/日です。

対象となる児としては、次のような児童が示されています。

  • 重症心身障害児
  • 身体に重度の障害がある児童
  • 重度の知的障害がある児童
  • 精神に重度の障害がある児童
  • 医療的ケア児

この加算では、訪問支援員特別加算の対象となる職員を配置していることが関係します。

対象児への直接支援をその職員が行っていない場合でも、支援内容について事前確認や事後フォローを行うなど、支援をサポートしている場合には算定できる扱いが示されています。

市町村による児の判定を確認する

ケアニーズ対応加算では、対象となる児について、市町村による児の判定が必要です。

事業所だけで「重度のケアニーズがある」と判断するのではなく、対象児としての判定が確認できる状態にしておく必要があります。

請求時には、対象児の判定、障害の状況、医療的ケアの有無などを確認し、加算の対象として整理できるかを見ておきましょう。

記録に残しておきたい内容

保育所等訪問支援では、訪問先での支援内容や連携内容を記録しておくことが重要です。

記録には、次のような内容を残しておくと確認しやすくなります。

  • 訪問日
  • 訪問先施設名
  • 訪問支援を行った職員
  • 訪問先でのこどもの様子
  • 本人への支援内容
  • 訪問先職員への助言・援助の内容
  • 訪問先施設との情報共有内容
  • 個別支援計画への反映が必要な内容
  • 自己評価・保護者評価・訪問先評価の実施状況
  • ケアニーズ対応加算の対象児判定
  • 多職種で訪問した場合の各職種の記録

保育所等訪問支援では、訪問した事実、支援内容、訪問先との連携、評価・改善がつながっていることが重要です。

請求時に確認したいポイント

保育所等訪問支援に関する内容を確認する際は、次の点を見ておくとよいでしょう。

  • 訪問先と連携して個別支援計画を作成しているか
  • 訪問先でのこどもの様子や課題を支援内容に反映しているか
  • 必要な支援時間を確保できているか
  • 訪問先施設との連携内容を記録しているか
  • 関係機関連携加算の対象となる連携内容か確認しているか
  • 自己評価・保護者評価・訪問先評価を実施しているか
  • 評価結果と改善内容を公表しているか
  • 公表方法や公表内容を都道府県に届け出ているか
  • 自己評価等未公表減算に該当しない状態か
  • 訪問支援員特別加算の対象職員の資格・経験を確認しているか
  • 多職種連携支援加算を算定する場合、個別支援計画への明記保護者同意があるか
  • ケアニーズ対応加算を算定する場合、対象児の判定職員配置を確認しているか

訪問先との連携と評価・改善が重要

保育所等訪問支援では、訪問支援員が訪問して本人に関わるだけでなく、訪問先施設と連携し、こどもが集団生活の中で過ごしやすくなるよう支援することが大切です。

令和6年度報酬改定では、訪問先との連携評価・公表ケアニーズの高い児への支援などがより明確になっています。

請求時には、個別支援計画訪問記録訪問先との連携評価の実施・公表対象児の判定を確認し、実際の支援内容と請求内容にずれがないように整理しておきましょう。

確認ポイント

保育所等訪問支援では、訪問先での本人支援だけでなく、訪問先施設との連携職員への助言・援助が重要です。

令和6年度報酬改定では、個別支援計画、支援時間、関係機関連携加算、評価・公表、訪問支援員特別加算、多職種連携支援加算、ケアニーズ対応加算など、複数の確認点があります。

実際の算定や届出にあたっては、こども家庭庁の資料に加えて、関係する告示、通知、事務連絡、自治体からの案内も確認しておきましょう。

出典:こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援関係)の改定事項の概要」