このページでは、こども家庭庁の「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A VOL.3」をもとに、延長支援加算で迷いやすいケースを整理します。
延長支援加算では、個別支援計画に位置付けた支援時間と、実際に支援を行った時間の確認が重要です。
特に、利用者都合で開始が遅れた場合や、延長支援の途中で帰宅した場合、営業時間外に支援した場合などは、算定の考え方を確認しておく必要があります。
この記事では、Q&Aで示された4つのケースを、事業所で確認しやすい形に整理します。

まず確認したい前提
延長支援加算を確認するときは、まず次の点を整理しておくと考えやすくなります。
- 個別支援計画に支援時間や延長支援時間が位置付けられているか
- 実際に支援を行った時間が記録されているか
- 遅刻や早退などが、利用者都合によるものか
- 基本報酬を算定できる支援が行われているか
- 自治体の取扱いや確認方法に差異がないか
延長支援加算は、単に長く預かったかどうかだけではなく、計画上の位置付けと実際の支援記録をあわせて確認することが大切です。
ケース早見表

| ケース | 迷いやすい場面 | おおまかな考え方 |
|---|---|---|
| ケース1 | 利用者都合で開始が遅れた場合 | 基本報酬は計画時間で算定可能。延長支援は実際に行った時間に基づいて確認します。 |
| ケース2 | 延長支援の途中で帰宅した場合 | 基本報酬を算定できる支援が行われていない場合、延長支援加算だけを算定することはできません。 |
| ケース3 | 営業時間外に延長支援を行った場合 | 営業時間外であっても、要件を満たす場合は延長支援加算の対象になります。 |
| ケース4 | 支援時間の前後に延長支援を行った場合 | 前後の延長支援時間を合計し、実際に支援に要した時間に応じた区分で確認します。 |
この表は、Q&Aの内容をもとにした簡易整理です。実際の算定では、個別支援計画、支援記録、自治体の取扱いをあわせて確認してください。
ケース1 利用者都合で開始が遅れた場合

個別支援計画に、たとえば14:00〜17:00を支援時間、17:00〜18:00を延長支援時間として位置付けていたとします。
このとき、利用者都合により実際の利用開始が15:00になった場合、延長支援をどのように考えるかが迷いやすい点です。
Q&Aでは、利用者都合により計画に定めた提供時間より実際の支援時間が短くなった場合、基本報酬は計画に定めた提供時間で算定することが可能とされています。
また、延長支援についても、個別支援計画で定められている時間を基準として、実際に支援に要した時間に基づいて算定できるとされています。
つまり、利用開始が遅れた場合でも、当初の個別支援計画に位置付けられていた延長支援を実際に行ったのであれば、その実施時間を確認して算定を検討します。
このケースでは、次の内容を記録で確認できるようにしておくと安心です。
- 個別支援計画に定めた支援時間
- 個別支援計画に定めた延長支援時間
- 実際の利用開始時間
- 実際に延長支援を行った時間
- 開始が遅れた理由が利用者都合であること
ケース2 延長支援の途中で帰宅した場合

次に、支援開始前に延長支援を行う予定だったものの、延長支援の途中で利用者都合により帰宅した場合です。
たとえば、9:00〜11:00を延長支援時間、11:00〜17:00を支援時間として個別支援計画に位置付けていたものの、10:45に体調不良で急きょ帰宅したようなケースです。
この場合、基本報酬を算定できる支援時間に入る前に帰宅しているため、延長支援加算だけを単独で算定することはできないとされています。
延長支援加算は、基本報酬が算定される支援が行われたことを前提に、その支援時間を超える延長支援時間を評価する加算です。
そのため、基本報酬を算定できない場合に、延長支援加算のみを算定することはできません。
ただし、このケースでは、Q&A上、欠席時対応加算の算定が可能とされています。
欠席時対応加算を確認する場合は、障害児または家族等との連絡調整、相談援助を行い、次の内容を記録しておく必要があります。
- 帰宅または欠席に至った状況
- 家族等との連絡調整の内容
- 相談援助の内容
- 障害児の状況
- 対応した職員や対応日時
延長支援を行っていた時間がある場合でも、基本報酬を算定できる支援が行われていないときは、延長支援加算だけを算定しないよう注意が必要です。
ケース3 営業時間外に延長支援を行った場合

営業時間外に延長支援を行った場合も、算定できるかどうか迷いやすいケースです。
たとえば、事業所の営業時間が9:00〜16:00である場合に、8:00〜9:00の1時間、延長支援を行ったケースが考えられます。
Q&Aでは、このような営業時間外の延長支援についても、延長支援加算を算定できるとされています。
ただし、営業時間外に支援を行えば自動的に算定できるという意味ではありません。
延長支援加算として確認するためには、個別支援計画への位置付けや、実際に支援を行った時間、必要な体制などを確認しておく必要があります。
営業時間外に延長支援を行う場合は、次の点を確認しておきましょう。
- 個別支援計画に延長支援が位置付けられているか
- 延長支援を行った実際の時間を記録しているか
- 営業時間外に支援を行う体制が整っているか
- 送迎や引き渡しの時間も含めて記録が整理されているか
- 自治体の取扱いに差異がないか
ケース4 支援時間の前後に延長支援を行った場合

支援時間の前後に延長支援を行った場合も、算定区分で迷いやすいケースです。
たとえば、支援時間の前に1時間、支援時間の後に1時間の延長支援を行った場合、前1時間と後1時間を別々に算定するのか、合計して算定するのかという点です。
Q&Aでは、実際に支援に要した時間を合計し、2時間以上の区分で算定するとされています。
つまり、前1時間と後1時間をそれぞれ別々に算定するのではなく、実際に行った延長支援時間を合計して、該当する区分で確認します。
Q&Aの例では、前1時間と後1時間をそれぞれ92単位で算定するのではなく、合計2時間以上として123単位の区分で算定する考え方が示されています。
また、支援時間の前後に延長支援を行う場合は、個別支援計画上、前後それぞれについて1時間以上の延長支援を設定することが必要とされています。
ただし、利用者都合により、前後どちらか、または両方の延長支援が1時間に満たない場合でも、実際に支援に要した時間を合計して30分以上の延長支援が行われていれば、合計時間が該当する区分で算定できるとされています。
このケースでは、次の点を確認しておきましょう。
- 支援時間の前後に延長支援を位置付けているか
- 前後それぞれの延長支援予定時間を確認しているか
- 実際に支援を行った前後の時間を記録しているか
- 前後の延長支援時間を合計して区分を確認しているか
- 利用者都合で短くなった場合、その理由を記録しているか
アルバトロスで確認しておきたいこと
アルバトロスで延長支援加算を確認する場合も、制度上の考え方と同じく、計画上の時間と実際の支援時間の整合性が重要です。
特に、延長支援加算で迷いやすいケースでは、次のような情報を確認できるようにしておくと安心です。
- 個別支援計画に位置付けた支援時間
- 個別支援計画に位置付けた延長支援時間
- 実際の来所時間
- 実際の退所時間
- 利用者都合による遅刻や早退の有無
- 延長支援を実際に行った時間
- 欠席時対応加算を確認する場合の連絡調整や相談援助の記録
アルバトロス上の入力内容と、個別支援計画、支援記録、実際の利用状況にずれがないかを確認しておきましょう。
まとめ
延長支援加算では、個別支援計画に位置付けた内容と、実際に支援を行った時間を確認することが大切です。
利用者都合で開始が遅れた場合は、基本報酬は計画に定めた提供時間で算定できる場合があり、延長支援は実際に支援に要した時間に基づいて確認します。
延長支援の途中で帰宅し、基本報酬を算定できる支援が行われていない場合は、延長支援加算だけを算定することはできません。
営業時間外に延長支援を行った場合でも、要件を満たす場合は延長支援加算の対象になります。
支援時間の前後に延長支援を行った場合は、前後の時間を別々に算定するのではなく、実際に支援に要した時間を合計して区分を確認します。
実際の算定にあたっては、個別支援計画の記載内容、実際の支援記録、自治体の確認もあわせてご確認ください。
