児童発達支援や放課後等デイサービスでは、こどもの状態や支援の必要性に応じて、個別サポート加算を確認する場面があります。
個別サポート加算には、個別サポート加算(Ⅰ)、個別サポート加算(Ⅱ)、個別サポート加算(Ⅲ)があります。
名前は似ていますが、それぞれ見ている軸が異なります。
(Ⅰ)はケアニーズ、(Ⅱ)は要保護・要支援児童、(Ⅲ)は不登校に関する加算として整理すると、違いを確認しやすくなります。
この記事では、個別サポート加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)の違いと、請求時に確認しておきたいポイントを整理します。

個別サポート加算とは
個別サポート加算は、障害児通所支援を利用するこどものうち、特に個別の支援や配慮が必要な場合に確認する加算です。
ただし、「個別に支援しているから算定できる」というものではありません。
加算の区分ごとに、対象となる児童、確認する要件、必要な記録が異なります。
そのため、請求時には、どの区分に該当するのかを整理し、対象児の状態や支援内容が記録で確認できるかを見ておくことが大切です。
個別サポート加算は区分ごとに見る軸が違う
個別サポート加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)は、名前が似ているため混同しやすい加算です。
まずは、それぞれの大きな違いを次のように整理しておくと確認しやすくなります。
- 個別サポート加算(Ⅰ):ケアニーズの高い児への支援を確認する加算
- 個別サポート加算(Ⅱ):要保護児童・要支援児童への支援を確認する加算
- 個別サポート加算(Ⅲ):不登校の状態にある障害児への支援を確認する加算
つまり、(Ⅰ)はこどもの支援の必要度、(Ⅱ)は家庭環境や保護・支援の必要性、(Ⅲ)は不登校の状態と学校・家族との連携を中心に確認します。
同じ「個別サポート加算」でも、確認する資料や記録が異なるため、区分ごとに分けて整理しておきましょう。
個別サポート加算(Ⅰ)はケアニーズを確認する
個別サポート加算(Ⅰ)は、こどもの状態に応じて、より手厚い支援が必要な場合に確認する加算です。
主に、食事、排泄、移動、行動面、意思表示、集団参加の難しさなど、日常生活や支援場面でのケアニーズを確認します。
この加算では、単に「支援が大変そう」という印象ではなく、対象児の状態や必要な支援が、所定の確認方法に沿って整理されていることが重要です。
確認したい内容としては、次のようなものがあります。
- 対象児の状態が確認できるか
- 日常生活や活動参加において、どのような支援が必要か
- 個別支援計画に、必要な配慮や支援内容が反映されているか
- 支援記録から、実際の支援内容を確認できるか
- 自治体や関係資料で示される確認方法に沿っているか
個別サポート加算(Ⅰ)は、こどもの状態と支援内容のつながりが重要です。
請求時には、対象児のケアニーズと、実際に行っている支援が説明できる状態になっているかを確認しましょう。
個別サポート加算(Ⅱ)は要保護・要支援児童を確認する
個別サポート加算(Ⅱ)は、要保護児童または要支援児童に対して、関係機関と連携しながら支援を行う場合に確認する加算です。
ここで重要になるのは、こどもの発達上の支援だけでなく、家庭環境や養育環境を含めた支援の必要性です。
要保護児童・要支援児童への支援では、児童相談所やこども家庭センター、市町村、相談支援事業所などとの情報共有が関係する場合があります。
ただし、個人情報や家庭の状況に関わる内容を扱うため、情報共有の範囲や記録の残し方には注意が必要です。
確認したい内容としては、次のようなものがあります。
- 要保護児童または要支援児童として確認できるか
- 児童相談所、市町村、こども家庭センター等との連携内容があるか
- 支援上必要な情報共有が行われているか
- 関係機関との連携内容を記録しているか
- 個別支援計画や日々の支援に反映すべき内容が整理されているか
個別サポート加算(Ⅱ)では、支援の対象となる児童であることと、関係機関との連携が重要になります。
請求時には、どの関係機関と、何の目的で、どのような情報共有を行ったかを確認できるようにしておきましょう。
個別サポート加算(Ⅲ)は不登校児童への支援を確認する
個別サポート加算(Ⅲ)は、放課後等デイサービスにおいて、不登校の状態にある障害児への支援を評価する加算です。
この加算では、こども本人への支援だけでなく、学校との連携と家族への相談援助が大きな確認ポイントになります。
対象となるのは、不登校の状態にある障害児です。
病気や経済的な理由による欠席は除かれるため、欠席の状況だけでなく、不登校の背景や支援の必要性を確認しておく必要があります。
確認したい内容としては、次のようなものがあります。
- 対象が放課後等デイサービスであるか
- 不登校の状態にある障害児として整理できるか
- 病気や経済的理由による欠席ではないか
- 保護者の同意を得ているか
- 個別支援計画に位置付けて支援しているか
- 学校との情報共有を行っているか
- 家族への相談援助を行っているか
- 学校や家族との連携内容を記録しているか
個別サポート加算(Ⅲ)は、学校・家族・事業所が連携しながら支援することが重要です。
請求時には、学校との情報共有、家族への相談援助、個別支援計画への位置付けが確認できるかを見ておきましょう。
個別サポート加算(Ⅱ)と関係機関連携加算の重複に注意する
個別サポート加算(Ⅱ)では、児童相談所等との情報連携が関係する場合があります。
この連携内容については、関係機関連携加算として重ねて算定しない取扱いが示されているため注意が必要です。
同じ連携内容を、個別サポート加算(Ⅱ)と関係機関連携加算の両方で評価しないように、請求時には加算の根拠を整理しておきましょう。
確認するときは、どの連携を、どの加算の根拠として扱うのかを記録上もわかるようにしておくと安心です。
個別サポート加算(Ⅲ)と他の加算の重複に注意する
個別サポート加算(Ⅲ)では、学校との情報共有や家族への相談援助が要件になります。
そのため、同じ学校連携について、関係機関連携加算と重複して算定できない場合があります。
また、同じ家族への相談援助について、家族支援加算と重複して算定できない場合があります。
請求時には、学校連携や家族への相談援助が、どの加算の要件として実施されたものかを整理しておくことが大切です。
個別支援計画とのつながりを確認する
個別サポート加算を確認するときは、対象児の状態だけでなく、個別支援計画とのつながりも大切です。
個別支援計画には、こどもの状態や支援の必要性を踏まえ、どのような支援を行うのかを整理します。
たとえば、個別サポート加算(Ⅰ)では、ケアニーズに応じた支援内容が計画や記録とつながっているかを確認します。
個別サポート加算(Ⅱ)では、要保護・要支援児童としての支援上の配慮や、関係機関との連携内容が支援に反映されているかを確認します。
個別サポート加算(Ⅲ)では、不登校の状態や学校・家族との連携内容が、個別支援計画に位置付けられているかを確認します。
いずれの区分でも、対象児の状態、支援の必要性、計画、記録、請求内容がつながっていることが重要です。
記録に残しておきたい内容
個別サポート加算を算定する場合は、区分ごとに必要な記録を確認しておく必要があります。
記録には、次のような内容を残しておくと確認しやすくなります。
- 対象児の状態や判定内容
- 個別支援計画への位置付け
- 必要な支援や配慮の内容
- 実際に行った支援内容
- こどもの様子や支援後の変化
- 関係機関との連携内容
- 学校との情報共有内容
- 家族への相談援助の内容
- 他の加算との重複がないことの確認
特に個別サポート加算(Ⅱ)(Ⅲ)では、関係機関、学校、家族との連携が重要になります。
連携した事実だけでなく、何を共有し、支援にどうつなげたかがわかる記録にしておくと確認しやすくなります。
請求時に確認したいポイント
個別サポート加算を確認する際は、次の点を見ておくとよいでしょう。
- 個別サポート加算(Ⅰ)として、ケアニーズの高い児として整理できるか
- 対象児の状態と支援内容が、個別支援計画や記録とつながっているか
- 個別サポート加算(Ⅱ)として、要保護児童・要支援児童に該当するか
- 児童相談所、市町村、こども家庭センター等との連携内容を確認できるか
- 個別サポート加算(Ⅲ)として、不登校の状態にある障害児として整理できるか
- 学校との情報共有や家族への相談援助を確認できるか
- 個別支援計画への位置付けや保護者の同意を確認できるか
- 関係機関連携加算や家族支援加算など、他の加算と重複して評価していないか
- 必要な記録が残っているか
区分ごとの違いを整理して確認する
個別サポート加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)は、同じ「個別サポート加算」という名前ですが、確認する内容は大きく異なります。
(Ⅰ)はケアニーズ、(Ⅱ)は要保護・要支援児童、(Ⅲ)は不登校と整理すると、請求時に確認する資料や記録を分けやすくなります。
算定する際は、区分名だけで判断せず、対象児の状態、支援内容、関係機関との連携、個別支援計画、記録、他加算との関係を確認しておきましょう。
確認ポイント
個別サポート加算は、区分ごとに確認する軸が異なります。
個別サポート加算(Ⅰ)では、ケアニーズの高い児への支援内容を確認します。
個別サポート加算(Ⅱ)では、要保護児童・要支援児童としての確認と、関係機関との連携を確認します。
個別サポート加算(Ⅲ)では、不登校の状態にある障害児への支援として、学校との情報共有や家族への相談援助を確認します。
実際の算定や届出にあたっては、関係する告示、通知、事務連絡、自治体からの案内も確認しておきましょう。
